うつ病の治療ガイド

大承気湯(だいじょうきとう)

大承気湯(だいじょうきとう)の効能

大承気湯は、かなり強い下剤です。体力中等度以上で、お腹が張って腹部が硬い、便秘をする人に用います。不安や不眠、興奮などの精神状態をともなった便秘や、肥満による便秘の人にも用います。便秘、高血圧、神経症、食あたりなどに応用します。

神経症や便秘などに用いられます。のぼせやほてり、口渇などがみられる場合に有効です。


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適応される主な症状

  • うつ病
  • 便秘
  • 自律神経失調症
  • 高血圧

配合生薬

配合生薬の効能

大黄(だいおう)

大黄は瀉下(下剤)、消炎性健胃薬として、常習性便秘症に使用されます。

ジアンスロン成分であるセンノサイドA-Fに瀉下作用が認められます。センノサイドA-Fは腸内細菌によって強い瀉下活性を示すレインアンスロンに変換されるからです。

フェノール配糖体の一種リンドレインには消炎、鎮痛作用が認められています。またタンニン成分に、血中尿素窒素(BUN)低下作用が報告されていることから、腎不全改善効果も期待されます。

漢方では、特に実証の人(体力がある人)の便秘薬として他の生薬と配合して高い効果をあげていますが、大黄には子宮収縮促進作用や骨盤の充血増長作用があるため、産前、産後や月経期間中は使用しない方がいいです。

枳実(きじつ)

ダイダイの果皮を橙皮といって、健胃薬、風邪薬として利用されます。有効成分は精油成分のリモネンです。リモネンには中枢抑制、末梢血管収縮、胆汁分泌促進、血清コレステロール低下作用などが知られています。

未熟果実を枳実といって、やはり健胃薬とする他、下痢止め、去痰、排膿薬として利用されます。効能は橙皮と同様、主として精油成分による他、フラボノイドのヘスペリジン、アルカロイドのシネフリンなどに由来します。枳実の水性エキスは動物実験で、胃腸運動の充進・抗炎症・抗アレルキー作用を示すことが明らかにされています。

枳実より採集時期が1~2ヵ月遅く、やや大型のものを枳殻といいます。

芒硝(ぼうしょう)

芒硝には緩下作用、血液凝固抑制作用などがあります。漢方では緩下、消化、利尿薬として便秘、腹満、心腹部に抵抗のあるものに処方されています。

成分は硫酸ナトリウムです。

厚朴(こうぼく)

厚朴には、抗菌作用、鎮痙作用、健胃作用などがあります。漢方として収斂(組織を引き締め作用)、利尿、去痰の目的に胸腹部膨満感、腹痛、咳などに使用されています。

厚朴にはアルカロイドのマグノクラリン、精油のマキロール、ホオノキオール、マグノロールなどが含まれています。

厚朴のマグノロールには大腸菌、黄色ブドウ球菌などの増殖を抑える働きが報告されています。またマグノロールとホオノキオールには中枢性筋弛緩作用が認められています。

漢方薬の使用上の注意

漢方薬の副作用


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うつ病に処方されるその他の漢方薬

実証

中間証

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
    抑うつ気分、思考抑制、不安感、焦り、不眠、疲労感、無気力などの症状の場合、多くの方に適合すると思 われます。女性の更年期障害、月経不順・月経困難症、自律神経失調症などにも用いられます。
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
    頻尿に加えて、気分がふさぎがちで、不安が強く、神経過敏ぎみの場合に有効です。
  • 柴朴湯(さいぼくとう)
    気分が沈んだ状態の時に用いられます。食欲不振、疲労倦怠、さらに、のどや食道に異物感がある場合に有 効です。

虚証

漢方薬は、自分の証に合ったものをお選び下さい。

「証」とは体力、体質、症状などから患者さんの状態を総合的に観察した診断結果のことです。

  • 実証は生理機能が高まった状態を意味して、外見は健康そうに見えます。
  • 虚証は体力がなく、生理機能が衰え、抵抗力も低下した状態を意味します。
  • 中間証は実証または虚証のどちらも偏らず、それぞれの特徴を半分ずつもつ場合を意味します 。

「証」の判定は証の自己判定テストご利用くだ さい。


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